「SFプロトタイピング」という言葉に惹かれて下記書籍を読んでみました。
SFプロトタイピングとは?
SFプロトタイピングとは、サイエンス・フィクション的な発想を元に、まだ実現していないビジョンの試作品=プロトタイピングを作ることで、他社と未来像を議論共有するためのメソッドです。
SFを通じて未来をプロトタイプし、そこからの逆算=バックキャストで製品開発や組織変革の突破口を開く――
SFプロトタイピングと呼ばれる手法がいま、ビジネス界で熱い注目を浴びている。
気になったところ
書籍で紹介されているSFプロトタイピングについて
最初に読んだ時、個人開発のアイデアに使えるのではと思い読みました。
「SFプロトタイピングのメリットとして、発想の新規性、リアリティの増加(信頼性)、感情移入の増加(楽しさ、わかりやすさ)が提案されている」
ただこの本では、アイデアの出し方以外でも、「他の人と世界観を共有する」ということを一番に伝えていると感じました。
「SFプロトタイピングには様々なやり方が存在するが、一般的に、ワークショップ形式で複数の専門家が集まり、お互いにアイデアを出し合い、未来に対するビジョンをSF作品として導くやり方が主流である」
「同じような考え方をする人たちが固まりがちななかで、そこにどれだけ異なる世界観、環世界をもつ人たち同志をぶつけることができるか。その衝突の中にこそ、新しい想像力が育まれるんじゃないかと思います。」
SFプロトタイピングは、今のコロナ時代に、おすすめかも
このコロナ禍は、2019年以前にこういったことが起こるとは多くの人が考えていませんでした。
「ウイルスで誰もが家に篭ってリモートワークに明け暮れる未来が突然訪れるかもしれない」などコロナ以前に主張している人がいたら「そんなことありえないのでは?」と一笑にふしていたのではないだろうか?
一方SFの中には、コロナ禍のような状況を予測できていたものがしっかりとある。
もし実際にそのような状況を想定して動けていたら、例えば巣篭もり需要を見越した商品を開発したり、組織を住宅勤務しやすい状態にいち早く整えたりして、あなたは今大成功できていたかもしれないし、大勢の人がそれに助けられていたかもしれない。
日本とSF
日本では、ドラえもんや鉄腕アトム、星新一のショートショートなどSFが身近にあり、かなり日本人に親和性が高い書籍だとも思いました。
ちなみに、ソフトバンクグループの孫正義さんは、Pepperを「世界初の感情をもつロボット」として売りに出した時、鉄腕アトムの影響を述べているとのことでした。
科学者や宇宙工学をやっている人もそういったSF作品に影響を受けている人が多いみたいです。
また、私は知らなかったのですが、政府単位だと、日本では「内閣府ムーンショット」という社会目標を2020年に策定しているようです。
2050年までに人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現することを掲げているようです。
めっちゃSF!!!
この本で紹介されているSF作品や他事例
また、この本が色々なSF作品を紹介しているのおすすめポイントです。
個人的には、中国SFの「三体」は元々読みたかったのでできるだけ早く読もうと思うのですが、それ以外にも様々な作品が紹介されていたので、随時読んでみたいと思います。
他にSFプロトタイピングを知ることができる書籍
最後に
個人的には、読んでいてとても楽しかったです。
日本人が子供のころから読んでいる「ドラえもん」も
「ほんやくコンニャク」は、ウェアラブル翻訳端末、
「カードテレビ電話」は、zoom、
など形を変えて似たようなものができているし、今後もそういった開発はされていくんでしょうね。